設備資金として融資を受けた場合の返済計画について

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設備資金として融資を受けた場合の返済計画とは?

融資を受ける場合、資金使途に応じて「運転資金」と「設備資金」の2つに分類されます。

 

このうち、運転資金は、仕入れや家賃、社員の給与にといった事業の経費に関する資金のこといいます。

 

これに対し、設備資金は、什器や車、建物等、生産力を増大するために必要な設備類を購入する資金のことをいいます。

 

このように設備資金は運転資金とは性格が大きく異なるため、返済計画の立て方についても運転資金とは考え方が違います。

 

どう違うかと言いますと、運転資金の返済の財源が売り上げの回収代金であるのに対して、設備資金の返済財源はその設備による生産性の増加による利益だということです。

 

具体例を見ていきましょう。

 

売り値が一個あたり900円で利益が200円の商品を50個作れることができる機械があるとします。

 

この設備を、同じ商品が80個作れる新しい機械と入れ替えることにとした場合、この入れ替えにより

 

(80?50)個×200円=6,000円

 

の利益の増加が見込めるようになります。

 

これが設備資金の場合の返済原資となります。

 

このように、設備資金の場合は、設備の導入により、どのくらい売上や利益が増えるかということに着目して返済計画を作成しなければなりません。

 

設備資金の返済期間

設備資金の融資は、その設備が存在して稼働していることを前提にしています。

 

したがって、融資期間は、その設備が使えるまでということになります。

 

しかし、その設備がいつまで使えるのかは、融資を申し込む段階では分からず、実際に使ってみて初めて分かることです。

 

そこで、設備ごとに法律で定められた期間、すなわち減価償却期間をもって算定することになります。

 

具体例を見ていきましょう。

 

購入を予定している機械の減価償却期間が5年の場合、その融資の返済期間も5年以内で設定するということになります。

 

以上のように、「設備資金の返済期間は減価償却期間内にする」ということが、事業計画書を作成する上で非常に重要になります。

 

ただし、設備資金の他に、運転資金についても融資を受ける場合、返済期間は、運転資金の融資を含めて10年以内に収まるようにしてください。

 

融資総額の返済期間は、通常、長くとも10年とされているからです。

 

複数の借り入れがある場合、返済限度額は「会社の税引き後利益」と「減価償却額」の合計となります。

 

この「税引き後利益+減価償却額」をいわゆるCF(キャッシュフロー)または「償却前利益」といいます。

 

そして、この償却前利益を使って返済まで何年かかるかを計算することができます。

 

計算式としては、

 

(総借入額?経常運転資金) ÷ (税引き後利益+減価償却額)

 

※ 経常運転資金=売掛金+在庫?買掛金

 

を用います。

 

なお、上記の計算式で、経常運転資金を引く理由は、経常運転資金とは常にその企業にあって営業をするために欠かせない資金だからです。

 

経常運転資金を差し引かずに借入額として計算してしまうと企業は存続できなくなってしまうため、総借入額から差し引いて計算するのです。

 

具体例を見ていきましょう。

 

・総借入金 2,500万円、

 

・経常運転資金 500万円

 

・その期の会社の償却前利益 500万円

 

とした場合、融資総額についての返済期間は

 

(4,000万円?500万円)万円÷500万円=7年

 

ということになり、10年以内に収まります。

 

しかし、会社の償却前利益が300万円しかない場合には、約12年となり10年を超えてしまいます。

 

もしこれを10年以内の適正額に収めるのであれば、この場合の適正な借入額は

 

(1,500万円+2,000万円?500万円)万円/300万円=10年

 

となるため2,000万円までの借入れが妥当という計算ができます。

 

このように、設備資金の融資希望額は返済期間が10年に収まるような額に設定するようにしてください。