新創業融資制度の特徴と注意点

新創業融資制度の特徴と注意点

1 自己資金について

新創業融資制度は、創業時に必要となる資金の10分の1以上の自己資金を持っていることが要件となります。

 

自己資金として認められる例と認められない例は、以下の通りです。

 

自己資金として認められる

  • これまでに給与などを貯めて、その履歴が通帳等でわかるもの
  • 退職金や相続で得た資金
  • 親からもらったお金

 

自己資金として認められない

  • 他から借りたお金(親から借りた場合でもNG)
  • 通帳を通さずに貯めたお金(タンス預金)
  • お金の出所が説明できないもの

 

以上のように、自己資金として認められるものは、通帳やその他の記録などにより、正当に受領した経緯が分かる資金だけということになります。

2 雇用・職務経験について

新創業融資制度を利用する場合には、他人を雇用するか、または一定の職務経験があることが求められます。

 

規程の上では、「他人を雇用する」という要件を満たせば、「一定の職務経験」については必要が無いようにも見えますが、実際には両方を求められることが多いです。

 

雇用する場合については、正社員としてではなく、バイトでも良いということになっていますが、実際には正社員として雇用することにした方が良いです。

 

  • 本当に雇用したかどうかは確認されません。
  • 職務経験については、経歴書に記載する他、場合によっては過去の記録(源泉徴収票や給与の明細)などの提出が求められます。

担保・保証について

法人で新創業融資制度を利用する場合には、代表者の保証は求められません。

 

これに対して、信用保証協会で法人を利用する場合には、必ず代表者の連帯保証を求められます。

 

つまり、法人で、新創業融資制度を利用する場合には、万が一、融資が返済できなくなったとしても、代表者は返済義務を負わないという、国内で唯一の完全な「無担保・無保証」制度となります。