創業融資の審査においては、法人か個人事業主かで有利不利はありません。

 

しかし、創業当初から法人化することに、全くのメリットがないわけではありません。

 

創業当初から法人化するメリットとは、「事業の履歴や信用を途切れさせない」ということです。

 

個人事業からスタートし、商売が軌道に乗ってきたころに法人化する場合（いわゆる法人成り）、１つの問題が生じます。

 

それは、事業主の形態が個人から法人という法律上は全くの別人格へ変わるため「事業の履歴や信用が途切れる」ということです。

 

具体的に言うと、個人事業の時の実績は、あくまでも個人の時のものなので、いくら同じ事業を継続しているとはいえ、法人になってからの実績ではありません。

 

法人の業績は、これからということになってしまいます。

 

融資においても、個人としての実績を全くカウントしないとは言いませんが、やはり法人は法人の実績でカウントします。

 

また、金融機関が、融資の審査のため決算書を分析するときも、個人事業の時の決算書はあまり参考にされないケースもあります。

 

以上のように、個人事業から法人成りした場合は、事業の履歴や信用が途切れてしまうので、私の事務所では、ある程度の売り上げが見込める状況であれば、創業当初からの法人設立もご検討するようアドバイスをさせて頂いております。