利用条件の中の、申込期間について見てみると、
日本政策金融公庫の「新創業融資」
→「開業前または事業開始後税務申告を2期終えるまで」
となっているのに対し
北海道、札幌市の制度融資
→「開業前または事業開始後5年」
となっており、制度融資の方がかなり期間の幅が広くなっています。
なお、日本政策金融公庫の新創業融資では「2期を終えるまで」とし、決算期を基準としているのに対し、北海道・札幌市の制度融資では「5年まで」と年を基準としていることに注意が必要です。
勤務経験に関する条件としては
日本政策金融公庫の「新創業融資」
→複数のパターンが用意されていますが、実際に一般の人が利用できるのは「雇用の創出を伴う事業を始めること」(=他人を雇うこと)だけと考えてよいです。
北海道・札幌市の「制度融資」
→制限なし
となっています。
融資限度額についての比較では、
日本政策金融公庫の「新創業融資」が3000万円まで
となっているのに対し
北海道の「制度融資」が3500万円まで
札幌市の「制度融資」が5000万円まで
となっており、融資限度額は制度融資の方が大きくなっています。
返済期間については
日本政策金融公庫の「新創業融資」
→ベースとなる融資制度で定める期間内
北海道・札幌市の制度融資
→10年以内(据置期間2年)
となっています。
据置期間とは、元金の支払いを棚上げし、利息のみを支払えばよい期間のことです。
金利については、
日本政策金融公庫の「新創業融資」
→基準利率が約2.5%程度
北海道・札幌市の「制度融資」
→約1.1%以内
となっており、制度融資の方が金利は低くなっています。
ただし、制度融資を利用する場合には、融資金利の他に別途、信用保証料がかかるため、その保証料によっては日本政策金融公庫の「新創業融資」の方が有利となります。
自己資金の必要の有無については、
日本政策金融公庫の「新創業融資」
→「事業の開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業資金の10分の1以上の自己資金が必要」という要件があり
実際には、創業資金の3分の1以上の自己資金が必要とされる
北海道・札幌市の「制度融資」
→なし
となっています。
以上のように見ると、制度融資の方が優勢に見えます。
ただ、制度融資の方が、提出する書類が多く、また記載すべき内容も多いです。
さらに、融資金利の他に、別途、信用保証料がかかることを考えると、一概に制度融資が有利とはいえません。